アグリコラのアクションスペースの使用可否について議論する。今回は、空いているアクションスペースについてのみ取り扱い、占有状態を無視するカードについては取り扱わない。
アクションスペースの使用に関する基本ルール
説明書のWork Phaseの節でワーカープレイスメントの基本的なルールと共に、アクションスペースから得たアクションとアクションスペースの使用可否の関係についても書かれている。
You cannot use an action space without taking at least one of the available actions. AGRICOLA
得られたアクションのうち一つもtakeすることなくアクションスペースを使うことはできない、と書いてある。ここでは、このtakeを「消費」と訳すことにする。
Details on the Work Phaseの項にさらに詳しい記述があり、
We distinguish between permanent action spaces and accumulation spaces. Permanent action spaces provide the exact same actions every single round. Accumulation spaces accumulate goods, offering varying amounts of goods each round.
permanentアクションスペース(以下、恒久アクションスペース)と累積スペースは区別されるという話。そして、
Some permanent action spaces provide multiple actions that can be taken in any order (“and/or”). Other ones require you take the actions in order (“and afterward”). With the latter, you must take the first action; only then can you also take the second action. AGRICOLA
恒久アクションスペースには複数のアクションを提供するものがあり、任意順で消費してよい and/or タイプと、必須アクションの後に別のアクションが得られる and afterward タイプがあることが説明されている。例えば、「農場拡充」アクションスペースは「部屋の建設」アクションと「厩の建設」アクションの and/or であり、「子供がほしい」アクションスペースは必須の「家族を増やす」アクションの後に「小さい進歩」が得られる and afterward である。また、(二人プレイ以上での)「集会所」アクションスペースは、スタートプレイヤートークンの取得が常に有効なアクションとなるため、小進歩を出せなくても使用できる。
一方、BGAの挙動からの推察だが、累積スペースにはアクションが無く、そこに置いてある品物を得るのはアクションスペース使用時の共通の効果として処理されるようだ。得られるアクションが無ければ、「得られたアクションのうち一つも消費することなくアクションスペースを使うことはできない」という制約は無視される。言い換えれば、これは「アクションが得られる場合、その内の一つ以上を消費しなければならない」と解釈される。よって、品物のない累積スペースも使用できる。
アクションスペース使用の before でカード効果を誘発する場合
さて、「得られたアクションのうち一つも消費することなくアクションスペースを使うことはできない」という制約は、即ち結果的に必須アクションを消費すれば良いということを意味する。人物を配置する時点でアクションが実行できなくても、アクションスペース使用の before でカード効果を誘発し、結果的に必須アクションを消費できれば、そこに人物を配置できる。例えば、「森の労役者」前提で「農場拡充」を使用したり、「家畜警護」前提で「柵」を使用したりすることはよくあるだろうし、「開拓者」で資材を貰いながらの改築や、「教師机」で「左官」や「屋根付け」、「修理屋」等を出しながらの改築も同じ理屈で可能だ。
但し、他のプレイヤーの判断が介入する場合はこの限りではない。「居酒屋の店主」を出しているプレイヤーから小麦を貰うことをあてにして「穀物活用」を使うことはできない。もしこれを許可していたら、「居酒屋の店主」を出しているプレイヤーが小麦を渡さないことで「穀物活用」を使おうとしたプレイヤーを反則負けにできただろう。
また、BGAではカード効果をあてにしたアクションスペースの使用可否判断がしばしばバグっているので気を付けよう。過去に(今も?)「陶磁器」「鍋パン作り」「レンガ窯」を出しているのにレンガを持っていないと「穀物活用」を使用できない、「鍋パン作り」「樹木畑」を出しているのに「穀物活用」を使用できない、等の不具合があった。
アクションを置き換え
アグリコラには、特定のアクションを他のアクションに置き換えるカードが存在する。「畑の取引人」や「新入生」等である。(画像はBGAより。)

これについてはAgricola Revised Edition Unofficial CompendiumのCommon Points of Confusion for Original Edition Playersの章に記述がある。
It is now possible to use an action space and use no action given by the space, if and only if a card allows you to substitute one (or more) of those actions with another action 《or effect》 Agricola Revised Edition Unofficial Compendium
つまり、アクションの置き換えはそのアクションを消費したものとして扱う。「畑の取引人」で野菜を貰うためだけに「大きい進歩」を使用したり、「新入生」で職業を出すためだけに「穀物活用」を使用したりできる。
「若い農夫」や「配管工」等のカードとの違いに注意しよう。これらのカードだけでは、進歩を出さずに(or建設せずに)「大きい進歩」アクションスペースを使うことはできない。アクションスペースから得られるアクションを消費していないからである。

